今回、南米ペルーでかなりヤバい古代生物の化石が発掘されたと
7月1日ベルギーの研究チームが英科学誌ネイチャーで発表された。
まずはその新種に付けられた学名は
「リヴァイアサン メルビレイ Leviathan melvillei」だ!
属名のリヴァイアサンは
バビロニア神話に登場するすべての海洋生物を支配する海竜
種名のメルビレイは
名作「白鯨(Moby Dick)」の作者ハーマン・メルヴィルにちなんでものだ。
ダブルで大胆な名前がつけられたものだが、
けっして名前負けしているわけではない!
そのリヴァイアサン (Leviathan melvillei)とは
1300万年前に生息していたマッコウクジラの仲間だ。
発見された化石は頭部の骨で、その大きさは3mにもおよび、
全長は13~17mあたりといったところ。
現在のマッコウクジラ
と同様の大きさになる。
それだけでは何の変哲もないが、
特筆すべきは、両顎に巨大な歯をもつことだ
現在のマッコウクジラは下顎のみ歯をもち、少々小ぶりだ。
しかしこのリヴァイアサンは大きなもので
36cmにもなる巨大な歯を両顎に備えていたのだ!
マッコウクジラはダイオウイカ
をも喰らいつく強力な捕食者であるが
リヴァイアサンはその巨大な歯で
大きなヒゲクジラなど襲ったと見られ、現在のシャチ
同様の生態だった
と見られているという。
そして
リヴァイアサンの生息した時代の海は
当時の食物連鎖の頂点に立つと語り続けられた
巨大ザメ「メガロドン」の存在を忘れてはならない。
メガロドンといえば、手のひらで収まりきれないほどの
鋭利で大きな歯の化石がよく産出されるが、
もっとも大きなもので17cmである。
しかし、リヴァイアサンは36cmもあるので
はるかにしのぐ巨大歯である!
おそらくリヴァイアサンとメガロドンは当時の海で
食物連鎖の頂点をかけて競合していたかもしれないが、
リヴァイアサンの歯は分厚く鈍器のようであるのに対し、
メガロドンの切れ味鋭い歯となっている。
歯の形状の違いから狙う獲物も違うという食べ分けが成立し、
うまく共存できていたかもしれない。
- 白鯨 上 (岩波文庫)/ハーマン・メルヴィル
- ¥945
- Amazon.co.jp
- 白鯨 下 岩波文庫 赤 308-3/ハーマン・メルヴィル
- ¥945
- Amazon.co.jp